ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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再入院:米国小児科体験レポート(その8)
やっとめどがついてきました。
今回は前回よりも(特に)親の側はハードです。

また後日改めて全体を整理したいと思っていますが、
予告編的?に、簡単に今回の再入院の枠をメモしておきます。

結論から言うと、ヤツは回復傾向で元気ですし、
もろもろ大丈夫ですので関係者各位はくれぐれも過剰な
心配をなさらぬように願います。

再入院のあらまし:
退院後4日間元気だったが、
5日目の朝4時に突然再発熱(39度、40度レベル)⇒
(入院先の救急にいこうか迷うが、米国のERの評判の
悪さから待つことを選択(事後的に担当医からも
それで良いとメールの返事))

翌日、かかりつけ医受診⇒
「入院の必要は無いと思うよ」との言葉にいったん
安堵しますが、いえいえそんな、とんでもない・・・
【再入院決定】
かかりつけ医の指示で近くの病院で採血⇒
結果をかかりつけ医が入院中の小児感染症医と相談⇒
即、再入院決定⇒

【熱性けいれん+米国ER初体験】
入院しようと病院に着いたとたん、熱性けいれん発症
⇒ERへ駆け込み
⇒ERで治療、検査、落ち着くまで滞在
(発熱が原因の単発性のもので問題ないとのことで)

【原因探求】
⇒小児科病棟へ移動
⇒原因の特定に難航(尿路感染症か、川崎病の再発か)

【ツルの一声】
⇒米国でも有数の川崎病の権威にたまたま相談でき、
「川崎病の再燃で全て説明がつく」とアドバイスをもらう
⇒二度目のIVIGを即、実施
⇒解熱(以降、48時間平熱を維持)
⇒翌日、心臓エコーで前回からの悪化が無いことを確認

【貧血と輸血狂騒曲】
⇒が、安心したのもつかの間、貧血が激しい
(Hb6.9, ヘマトクリット18台)ことが判明
前回退院前は10台(これも低いけど)、
再発熱時が8.0、翌日が6.9と落ち方が急。
⇒原因探求はさておき、「輸血をする」という
主治医(小児科)に待ってもらい日本と豪州在住の
友人医師(小児科医)にアドバイスを求める
⇒入手した全ての情報を勘案して「輸血の判断を
まだ保留できる」と判断(川崎病の治療済み
なので、川崎病由来の貧血なら改善するはず。
他の貧血の原因は同定できていない)。
⇒血液検査の数値のみで、輸血しようと強く主張する
主治医に自身の根拠と親としての考え方
(将来のリスクを考えてぎりぎりまで待ちたい意向)
を訴え続けて粘る、粘る、粘る。条件付で同意してくれる。
⇒Hb6.4、ヘマトクリット17台まで落ちるが、それでも
粘り、その後(12時間後)のHb,ヘマトの落ち方が軽微で
医師も様子見に同意。

【回復期】
⇒IVIG施行翌日、ヤツが昼過ぎから食欲が出始め、
食べた後は見る見る元気になっていく。
⇒その翌日、友達親子が着てくれたこともあり、
はしゃいで遊ぶ。
(一人で立って歩き、暴れることも出来る)
子供ってすごいなあ。
⇒待つこと24時間、貧血を示す値が輸血無しで
改善していることを確認。
⇒食べたり飲んだりが普通に戻るまで、補助栄養剤
(鉄材やビタミン)とアスピリン大量投与を継続。
血液を造るのを助ける薬(エポジン)投与。

【尿路感染症について
⇒尿路感染症(大腸菌)から、尿路異常の鑑別のために
検査予定(VCUG)。腎臓エコーでは異常なし。
⇒IVIG後、平熱が52時間継続中。現在に至る。


再入院ですっかり予定が狂ってしまい、仕事の後処理に
追われているので各局面の詳細は後日に譲りますが、

大げさではなく、これまでの人生で最も短期間内に
重要な意思決定をしないといけない、必死の数日間でした。
毎日がジェットコースターでした。

特に輸血のことは、自分のことなら「まあいいか」で
済むことが、子供のことだと将来への責任感から中々そう
ならないわけで。「輸血」という確立された技術ですら、
患者(の親)に必要な情報がネット上に十分無いこと、
また情報があっても意思決定が難しい場合があること、を
体感しました。

常日頃自分が考えていた(訴えていた)ことなんですが、
自分の子供のことで同じことを経験すると、その価値や
意味が切実に実感できましたし、自分が考えていた以上に
情報不足なのだなあということも確認できました。

今回は結果オーライでしたが、
(勿論、まだ数字上は貧血なので要経過観察ですが)
逆の場合もありえたわけで、意思決定や患者が必要としている
情報サービスについて心底考えた数日間でした。

あ、あと看護師の感性についても色々考えたことが
あります。書くこといっぱいあるなあ。
結論から言うと臨床上のことについては、
「だめな医療」があるというよりも
「だめな個人」がいる幅の方が大きいのかも、という感じ。

繰り返しになりますが、米国の医師達の中に信頼できる
医師がいたこと、そして日本の友人医師から迅速な
アドバイスや情報がもらえたこと、インターネットや
メールが使える時代に生きていること、のありがたさを
痛感しております。

検査の結果に関わらず、本日退院できる予定なので、
熱が上がったりせずに順調に本日退院できることを祈ります
(いやまじで^^;)。

(・・・ああ、これでも長いなあ。仕事しよ。)
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【2007/09/04 04:34】 | 川崎病関連 | コメント(4) |
<<退院できました:米国小児科体験レポート(その9) | ホーム | 再入院;米国小児科体験レポート(その7)>>
コメント
> 「輸血」という確立された技術ですら、
患者(の親)に必要な情報がネット上に十分無いこと、
> また情報があっても意思決定が難しい場合があること

おそらく、後者が正しいです。
しょせん、情報をふんだんに受け取っても、何が正しくて何が間違ってるかが、一般の人には分からないんです。

そして、もう一つ重要な要素は、医療と人体の「不確実さ」が原因です。病気を治すことは、同じ設計図でもって生産された機械の故障を直すのとは、まったく異なるプロセスなのです。
一般論なら教科書でも、ネット上の情報でも、いくらでも手に入るけれど、それが目の前の患者さんにそのまま適用できるかどうかまでは保証されないのです。
さらに、医療行為(検査・診断・治療)には、多くの医師が有効or正しいと考えるものと、controversialなものが混在しています。ネット上で与えられる情報がそのどちらなのか、あるいはごく少数の医師だけが唱えるものなのか、見極めることは、一般人には不可能と現実的に思われます。
【2007/09/05 00:06】 URL | 南十字星☆ #-[ 編集]
南十字星☆さま、コメントありがとう。
不確実性の議論だね。本当に今回はもと
医療者の端くれとは思えないほど悩みました。
自分だって看護師時代はがんがん輸血を扱って当たり前の
ように患者さんに使ってたのに(心臓外科だったし)
いざ自分の子供のことになると全く体験した
世界が異なっていました。
今のところ今回は輸血を使わなくてすみそう
ですが(おかげさまで)、今後事故その他、
可能性が無くなったわけではないので、
自分なりに親として理解を整理しておくべきだなあと
感じました。リスク&ベネフィットの話は
助言者と医師決定者の立場の違いによっても
大きく影響を受けるのだなあということも
実感したよ。
【2007/09/05 03:08】 URL | taka #-[ 編集]
> リスク&ベネフィットの話は助言者と医師決定者の
> 立場の違いによっても大きく影響を受けるのだなあ

さらに言うなら、ことをさらに複雑にしているのは、現在の日本ではマスコミと司法です。
一部の限られた医療者(場合によっては、医師ですらない場合も多い)だけが唱える、コンセンサスの得られていない意見も、マスコミという巨大スピーカーを通した瞬間、それは社会的には真実になってしまう。それが一般人の医療に対する理解を深めるどころか、よけいな偏見を植え付け、まじめな医療に対してまで不信を煽る結果になっている。

また、訴訟となった案件に関して、司法の場においても、同じことが起こっています。
医学界では9対1で意見がほぼ決着しているにも関わらず、原告側・被告側それぞれが自分の意見にあった証人を一人ずつ各グループから呼ぶために、法廷ではさながら、それぞれの意見に五分五分の言い分があるかのような印象を与えてしまう。医療の素人である裁判官には、医学的真実よりも同情が選考してしまい、医学的にはどう考えてもおかしい判決が乱発される原因になっています。陪審制度が始まったら、よりその風潮は強まるでしょう。

あぁ、こんなこと書いてたら、いいかげん、医者やめたくなってきました・・・。
【2007/09/05 21:19】 URL | 南十字星☆ #-[ 編集]
南十字星☆さまコメントありがとうございます。

×医師決定者
〇意思決定者ね
間際らしい誤字失礼。

以前よりご指摘の件、そのとおりね。
前回帰国時に弁護士の友人と話したんだけど、
似たようなことが話題になりました。

裁判官という職種育成の構造上の問題や
医学専門知識のある弁護士はいても、医学
専門知識のある(現場の実情をわかってる)
裁判官がいない、という問題もあるね。

司法が解決しなければならない課題の一つ
なんだろうね。でも医療問題に関心を持って
法曹の世界に入ろうとしている若い人は
増えてきている印象があるし(友人にもいるし)
彼らに期待するしかないのかな。

マスコミについては、その声の大きさに対抗
する知恵を医学会だけでなく医療消費者である
患者、患者家族、患者予備軍(つまり一般市民)
が持つ必要があるんだけど、時間がかかりそう
だね。

今回の体験は以前から南十字星☆さんに
指摘いただいていた問題をより切実に考える
良いきっかけになりそうです。
【2007/09/06 01:57】 URL | taka #-[ 編集]
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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