ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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米国小児科入院体験レポート(その6)
ヤツ、退院できました。

IVIG(ガンマグロブリン治療)を無事終えて、
アスピリン投与が始まり、本人いたって元気で
入院生活のストレスも限度という感じでしたし、
治療費の懸念(日本とは違って保険に入っていても
自己負担額が高いです)もあって明日退院、といわれて
いたのを交渉して本日退院となりました。

「本人も元気だし、投薬だけなら自分でも自宅で
管理できるし、今日退院したい」と、言ってみたら
心臓の専門医も感染症の専門医も「問題なし」とのこと。
彼らに引っ張られるように主治医もOKをくれました。
やはりこの国、なんでも言ってみるもんです。

というわけでヤツと管理人の米国入院体験も4泊5日で
終了。終わってみれば大したこと無いですが、なんか
すごい長い間入院して気分です。当初は原因不明で
隔離されてましたしね。

忙しい時に貴重なアドバイスいただいた小児科の両K先生、
心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

今日はその他の印象をいくつか。
上記、友人の小児科医の存在のありがたさの他に、
入院生活を体験してみてつくづく感じたのは、待つことと、
インターネットのありがたさです。

【入院生活は「待つ」ことの連続】
前者は、入院って患者や家族の側からすると、
「待つ」ことの連続だなあということです。
自分が看護師として日本の病院で働いたことがあるので、
なぜ待たされるのか大体の理由がわかるわけです。
にも関わらず、待つことの苦痛を非常に味わいました。

ましてや、病院の仕組みや事情がわからない患者さんに
とって、その不安や不満は人によっては非常に高いだろうと
思います。今回は特に日本人が米国病院に入院する、という
状況でしたし。そこに子供の入院に親が付き添う、という
要素も加わりましたしね。

日本の現状スダンダードな病院の事情を今は知りませんが、
こちらの病院は放っておくと(自分から質問していかないと)
本当に放っておかれるというか、向こうに都合に合わせられて
しまう部分があります。今日の予定はどうなっているのか、
どういう見通しでことが進むのか、いつ医師と会えるのか、
など。医師も毎日ちゃんと進捗を報告してくれるのですが、
非常に早口ですし、質問を繰り返していく必要があり、
ある程度病院の事情も英語の医学語彙もあるつもりの
自分でもタフな作業でした。ナースも基本的に優秀な人が
多いのですが、中には仕事が遅いとか埒が明かない人も
いて(これは日本も一緒かな・・・批判じゃないですよ)
だめだと思ったらすぐに行動を起こして別の人(別の職能でも
同じ職能の別の人でも)に訴えることが重要です。

今回は日常生活以上に「子供を守る」という意識が強く
英語をしゃべっていたように思います。

また、待ち望んだ医師と話せても、聞くつもりの質問を
忘れたり、聞いても英語で困っているうちに質問の本質が
ずれてしまったり、苦労が多かったです。

患者学の基本(メモをとる、準備しておく、その他)
はわかっているつもりでしたが、理論と実践は
違うことを実感です。

この「待つ」という状況を逆手にとって何か付加価値の高い
サービスが提供出来ないでしょうか?
何か患者や家族の健康だけでなく、心理社会的な支援の
ための迅速なサービスが出来ないでしょうか?

そんなことを考えました。

【無線LAN使い放題のありがたさ】
あともう一つ、インターネットに関することですが、
病院内のどこでも無線LANが使えたので、リアルタイムに
息子の病状について日本人の友人医師に相談したり、
検索してネット上の情報を集めて自分の中で整理したり
することができました。

道具さえあればスカイプも使えますし。
自分は必要が無かったのでしませんでしたが、簡単な
遠隔医療も可能です(子供の症状を見てもらうとか、
診断にアドバイスをもらうとか。画像の質や相談先の
医師への支払いの問題はありますが、解決可能な課題です)。

海外で入院する際には、インターネットがいつでも楽に
(無線LANなどで)使える病院かどうかは、すごく重要
という気がしました。特に子供の入院に親が付き添って
泊まる場合なんかは。入ってくる情報は英語ですし、
英語に問題が無くても医学用語の壁があります。
日本語の情報源が豊富に活用できる環境はすごく助かり
ました。

また、
今回のように日本人やアジアンであることが要素として重要
な病気の場合、特に欧米のしかもアジアン以外の医師による
治療の場合、情報不足になる可能性もあります。

ヤツが今回入院した
Miller Children's Hospital in Long Beach Memorial Hospital
は、この辺(LAカウンティ南部、オレンジカウンティ他)
ではベストの小児病院といわれていますが、それでも
管理人が日本の経験豊富な小児科医の友人達からもらって
いる最新の情報と比べると「?」ということが数回ありました。

更に、米国ではよくあることですが、「個人によるずれ」の
問題もあります。公的サービスやテレアポなんかが良い例
ですが、医師の場合も同様でした。

つまり、医師によって言うことや理解度、知識がずれて
いますので、そのつど親が確認して状況を正しく把握し、
ベストの方針にたどり着けるように積極的に関与する必要も
感じました。

例えばヤツの場合、
・小児科医(ヤツの治療に関する最高責任者)
・小児感染症医(担当ではあるが、相談先扱い)
・心臓外科医
・PA:フィジシャンアシスタントという米国独自の職能
・コメディカル(超音波、レントゲン、採血などの検査技師、
ナース)

などが関わるわけで、しかも基本的に担当が週代わり
だったり日替わりだったりするので情報の共有が非常に
面倒です。

自分達の場合、小児感染症医の医師がアジア系でかつ
非常に熱心にヤツのことを見てくれ、幸いずっと彼女が
担当でしたし、管理人の訴えに素直に動いてくれたので、
とても信頼できましたし、納得のいく医療を受けることが
出来ました。

彼女が居なければ、ヤツは不全型川崎病として扱われない
可能性が高かったのです。そう主張していた別の医師は
「誰にもその是非はわからない」と言っていましたが、
少なくともこの疾患の治療経験が豊富な日本の
スタンダードからはずれていますし、将来合併症が
出た場合の後悔は親が引き受けることになるわけですし
やはり今回の決定(消去法的にとはいえ、「不全型川崎病」
という解釈の元、グロブリン+アスピリン治療を行う)
は妥当(というか無難?)だったと思うわけです。

最終的に川崎病を否定する別のウイルス疾患である証拠は
あらゆる感染症の検査をしましたが、見つかりませんでした。

メルボルン在住のK先生に教えてもらった、イギリスで
お子さんが川崎病になったことを記録されている先生の
ウェブサイト「イギリスで病気になってはいけない」
内容とは、信頼できる医師が居た、という点が
一番違う点でしょうか。

なんにせよ、優秀で誠意ある小児科医の存在は子を持つ親
としては心底貴重な「社会資産」であり、そのありがたみを
痛感すると共に、日米の医療の違い、常日ごろK先生に
指摘されている日本の医療(および保険や医療費のシステム)
の良さ(比較して、ということです)を実感したのでした。

今回のことは、一人の親としてだけではなく、医療や健康の
コミュニケーションを学ぶ人間としても、
自分なりの日米の医療の仕組みや実態の違いを考察する
上で非常に貴重な経験となりました。留学のまとめとして
自分なりに整理したいと思っています。

ご心配いただき、お見舞いの言葉をいただいた皆様、
本当にありがとうございました。子供が元気に遊んで
いるのを見るとその当たり前の些細な幸せのありがたみを
実にリアルに感じるのでした。

ヤツは早速今日から友達と元気に遊んでいます。
(熱が下がってもう4日目ですしね)
親の方は、これから入院費用の自己負担の現実に
直面するわけですが、それはまた別の機会にシェアしたいと
思います。

今日のところは、病気のお子さんをお持ちの親御さんの
気持ちに想いを馳せつつ、仕事柄自分に出来ることは何か、
今後も考えていきたいと思います。
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【2007/08/27 23:17】 | 川崎病関連 | トラックバック(0) | コメント(12) |
<<恵まれている人は、自分が恵まれていることに気付くのが難しい | ホーム | 米国小児科入院体験レポート(その5)>>
コメント
退院出来て本当に良かった~!!
家族3人とも大変な日々だったと思います。よく乗り切った!
また落ち着いたら電話するね。
【2007/08/29 05:24】 URL | まみ #-[ 編集]
まみねえ、ご心配ありがとう。
僕らは疲れましたがヤツは元気です。
再発したりせず元気に過ごせることを祈るのみ。
色々勉強に成ったよ。詳しいことは電話でね。
【2007/08/29 06:12】 URL | taka #-[ 編集]
よかったー。
また会いに行きます!
【2007/08/29 06:45】 URL | yuko #-[ 編集]
yukoちゃんコメントありがとう。
また是非元気で愛想の良いバージョンの
ヤツに会いに着てね。一同お待ちしております。
【2007/08/29 08:36】 URL | taka #-[ 編集]
退院おめでとう!
三人とも大変だったことでしょう!!
ほんと大事に至らず何よりでした。
もう腕立て芸まで復活してるとか!?
そんなことまでできるようならもう大丈夫だね。
よかったよかった。
【2007/08/29 09:13】 URL | mikichi #-[ 編集]
mikichiコメントありがとう。ご心配かけました。
帰ってくるなり「歓喜の腕立て伏せ」やってたよ。
満面の笑顔で。芸人としての修行も再開です。
【2007/08/29 20:58】 URL | taka #-[ 編集]
よかった。
本当によかった。
遠い大分の空の下から心配してました。
【2007/08/29 22:29】 URL | s-ren #-[ 編集]
s-renさまコメントありがとうございます。
お気持ちがすごく嬉しいです。ありがとう。
ヤツは退院後も入院生活の嫌な出来事が
トラウマになったのかぐずってますが、
体は元気です。ご心配おかけしました。
来年春に元気に上浦に帰ります。
【2007/08/30 00:13】 URL | taka #-[ 編集]
我が家のここみちにも退院のことを話すと「よかったね~」と。食事中もおばさんのような口ぶりで、「それにしてもよかったよね~」と姉妹で話しておりました。
来年春の“腕立て伏せ対決”楽しみにしています!
【2007/08/30 06:30】 URL | ここみち #-[ 編集]
まずは退院おめでとう!

今日は能書きはやめとくよ(笑)
【2007/08/30 10:08】 URL | 南十字星☆ #-[ 編集]
南十字星☆さま本当にありがとう。
感謝してもしきれません。
このご恩は出世払いで(またかい!)^^
お子様たちの健康をLAより祈ってます。
【2007/08/30 11:36】 URL | taka #-[ 編集]
ここみちさまコメントありがとう。
おばさん二人組みにもよろしくお伝えください。
「快気祝い歓喜の腕立て伏せ」はいつもより
背筋の角度が高く、回数も多めにこなして
おりました。対決、負けませんよv-91
【2007/08/30 17:06】 URL | taka #-[ 編集]
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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