エイズ予防研究にインタラクティブビデオやビデオゲーム環境
を活用して心理学的アプローチを試みているPro. Lynn Miller (彼女のやったGrant Writingの講義についてはこちら) と今日話す機会があって、日米の研究環境の違いや ビジネス領域との関連について話した。 今日のミーティングのポイントを一言(二言)で言うと標記。 ヘルスコミュニケーション分野の研究者としては、上記を 常に意識するという。customerというのは話の流れで出てきた 「意訳」で、フルタイム研究者(たまに頼まれて コンサルタントもやってるみたいだが)の彼女たちにとっては Who will fund you.が正しい。つまり、出資者は誰なのか? 今日出てきたのは当たり前のことばかりなのだが、改めて 自分の立ち位置を考え直す良い機会になった。 ヘルスコミュニケーションは非常に多岐に渡る学際領域で かつその国、民族、文化固有の問題に対処しなければ ならないことが多い。その中で出てくるのは、最初の What's the problem?であり、ここをどれだけ追求するかが 一番大事だという。 Social Marketingの本質はここにあるといつも感じるのだが、 問題が起こっている全体の構造を把握し、プレイヤーは誰で、 何がトリガーになっているのかを正確に把握することが 最も大事である、ということだ。 そしてそれを解決するためのピースをはめていく。 ありとあらゆる学術領域の専門家、メディア企業、政府、 患者団体、財団、などなど。足りないピースが見つかると、 それで一つ、「科学」の目的が果たせたことになる。 つまり、その問題を解決するための「足りないピース」を 見つけたことになるからだ。 To know what you don't know is a basic skill to be scientific. これもLynnが言っていた言葉。 彼女たちはアネンバーグの中でも科学志向が強く、 心理学・認知科学・行動科学・脳神経科学など、 ありとあらゆる専門家とコラボレーとしながら巨額の グラントを運営している。 アネンバーグが強いな、と感じるのは、彼女たちと全く 方向性を異なる研究者(質的研究、レトリック研究などの アプローチ)も豊富にいる、ということだ。 色んなアプローチがあって、全体のアネンバーグという リソースを形成している。そんな風な各学部が集まって USCという大学を構成している。他の有名大学も同様だろう。 話を戻すと、そうやって見つけた問題とその構造、その解決法 を実現するための出資者を獲得することが研究を現実に機能 させるために必須である。それは政府機関のグラントであり、 財団の研究費であり、企業のR&D費だったり、寄付である だろう。いずれにせよ、目的達成のために必要な額を獲得する こと。その意味では、ヘルスコミュニケーション事業は 立派なビジネスであるし、だからこそ彼女たちはコンサルタント として機能するのだろうし、専門知識を持ってより科学的妥当性 の高いヘルスコミュニケーション事業をする、ということを 志向している政府機関や企業がある程度ある、ということを 意味してもいる。 そんな彼女がHollywood, Health & Societyのようなテレビ ドラマを使ったEE活動ではなく、ビデオゲーム環境を使った Virtual Agentを主力にエイズ予防研究を専門としているのは、 より科学的アプローチが可能であるということ、 よりチャレンジングであるということ、 より出資者を獲得しやすいということ、 の3点からなるように思う。 チャレンジング、というのは 注射一本打てば済む予防接種率向上、などの問題と違って (これすら日本ではうまくいっているとは思えないが)、 性行動や食行動など、日常繰り返される人間本来の欲や 本能の絡むトピックこそ、深刻かつ解決を求められていて 彼女たちのようなスタイル(現実の問題解決に科学の叡智を 用いる)の研究者にとってはよりチャレンジングである、 ということだろう。 ずうずうしく2時間弱も話し込んで、自分がシリアスゲーム 分野で貢献すべき方向性を諭されたような気がした。 残りの留学期間は、自分なりのfeasibilityを追求する時間 になるのだろうと自然と感じた。再来週のワークショップも 楽しみである。 ![]() |
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