ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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academic debateその3:自国を客観視する難しさ
final debateが終わりました。
と言っても自分はアシスタントなので本番ではあまり貢献
できなかったのですが。。。目の前で英語でまくし立てられる
のは傍で聞いているよりもインパクトがありました。

女の子たちは意図的に話すスピードを早くしている子も
いるようで(効果的か否かは不明)、リスニングすら
少しつらい部分もありましたが、自分たちが詳細に調査
した内容なので他のチームのより聞き取れた感ありです。

今日の経験で思ったことは標記です。
「イラク撤退を今年中に(または来年春までに)完了すべき」
という主張の根拠としてAffirmativeチームは一般的な
イラク駐留の効果に対する疑問や死者数の他に、主に
財政負担を挙げており、それに対して我がNegativeチームは
「財政負担は早期撤退の理由にならない」という立場で
一貫して議論を展開しました。

元々イラク戦争自体の正当性には言及しない、という方針
でしたが、自分としてはこちらの主張の背景には、
「正統性も無く勝手に来て勝手に破壊し既存の秩序を乱し、
国家首脳を処刑したが、復興支援は思ったよりも
うまくいかなくなったから撤退、というのはあまりに
自己中心・無責任ではないか」という前提に立ちました。
(イラク国民の多数派が米国の撤退を希望しているという
データは「もしくは治安を回復してから出て行って欲しい」
という設問文に言及して、ここでは本質的エビデンスでは
ないと解釈しています)

膨大な軍事費の大半が米国や米国と関連の深いグローバル企業
に受注されているという現実も考慮しなければなりませんが、
Affチームは単に撤退せずにいた場合と今回早期に撤退した
場合の軍事費上の効果を示したのみで、それでは支出ばかり
で「収入」を考えておらず、net-netになっていません。
Affチームは議論の基準をnet benefitと規定していたので、
その点も突っ込みました。

軍需産業の工場は政治的な配慮規定で各州に配置されており
軍需産業が儲かる、ということは、企業だけでなく
各州と州民が儲かる、ということでもあるようなのです。
そうなってくると軍事費という「お金」のからくりが見えて
きます。他人事のように「軍事費の増大は市民を圧迫する」
と言うのもあまりにナイーブ、ということになってきます。

が、我がチームのエース・ブリタにしても、Affチームに
しても、客観的に「米国のやっていることの身勝手さ」という
枠組みを追求することは難しいようでした。
「ブッシュ大統領が悪い」で済ませてしまっているのです。
(ブッシュがいなくなれば問題は解決される、というナイーブ
な感覚が見え隠れするわけです。)

調べていてそれは多分、本質を見誤る第一歩、という気が
しました。つまるところ彼らは「米国の正しさ」「健全性」を
本能的に信じているのです。

当たり前のことなのですが、ブリタと打ち合わせをしていて、
Affチームの二人と議論を聞いていてそれを実感しました。
そのマインドセットというかメンタルブロックは今回程度の
自分のコミットメントでは崩しようが無い感じです。

特にブリタは前回書いたように非常に客観的で冷静に
準備を進めていたように思えたにも関わらず、最後の段階で
上記に踏み込み切れなかった感があります。ディベートに
限って言えばそこまで要求されていないわけで問題は
無かったのかもしれませんが。

専門家が指摘しているように、米国政治はいくつかの意思に
分裂しており、軍需産業だけでなく復興支援に関係する
あらゆる企業の思惑も、そこにリンクする政治家の思惑も
うごめいているのでしょう。そういう複雑で大きな動態に
まで配慮して議論を行うことは21,2歳(大学3,4年生)の
彼らにとって、特に今回の限られた時間と準備では
困難ではあったのだろうと解釈していますが、
日本人としては気付かされたことが結構あったのでした。

また、お金の流れを丁寧に見ていくことは今回の議論でも
非常に重要ですが、その点がAffチームに十分ではなかった
ことが全体の議論を浅薄なものにしてしまった感が
ありました。AffチームがNegチームの趣旨を十分に理解しない
と(反駁のデータを準備していないと)、議論がそこから
進まないんですよね。そんなに経験あるわけでもないので
準備してきたことしか言えない、という側面もありますし。

ファクトベースで考えることの重要性を実感しました。

ま、学部生のディベートなんであんなものだという解釈も
可能ですが、それにしても根が深いというか、一つの国を
特に自国を客観的に理解するというのは難しいことですね。
つくづく思いました。

以下、日本語で勉強になった参考ウェブサイト:

私はイラクでプロパガンダ見習い生だった

戦争の不当利益とハリバートン

イラクのなぞ

イラク混乱の行方

動画ニュースが見れるサイトAFP BB News
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【2007/04/25 23:56】 | USC講義関連 | コメント(4) |
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コメント
> 「米国の正しさ」「健全性」を本質的に信じている

やっぱりそうか。どこから来るんだろう、この米国人の自信は?
ベトナムで懲りたはずなのにイラクにも攻め込んでいってそれを「人助け」だと信じてやまず、誰も頼んだ覚えがないのに「世界の警察官」を自認し、たかが一国のプロリーグで優勝しただけなのにWorld Championと呼び、国民の60%もが「米国は世界で最も公正な国」と信じる、この言いようのないアホさ加減。

豪州に来て、豪州・NZ人だけでなく、多くの欧州人やアジア人、中東人と付き合い、仕事をし、見えてきたゆるぎない事実が一つある。それは・・・
「米国ってホンマに世界中から嫌われてるんやなぁ」
ということ。はっきり言って、世界は敵にまわすとどこまでもやっかいな米国という存在に、本音では「バーカ」と舌を出しながら、適当に付き合ってやっているだけなようだ。
この事実を知るにつれ、小泉・安倍たちの国益を無視した低レベルな米国べったり外交が、ますますバカらしく見えてくる。

ついでに、もう一つ、豪州で知った衝撃的な事実。
「アジア・太平洋地域は、すでに日本ではなく中国を中心に回っているんやなぁ」
日本がニュースに出ない日は多々あれど、中国のニュースを見ない日はない。好き嫌いに関わらす、小さな海を挟んだだけのお隣の政治・軍事大国、そして今後10年ほどで経済超大国にさえなろうとしている中国を敵に回すことは、日本の国益という観点から愚策以外の何ものでもなさそうである。
この観点からもまた、小泉・安倍・石原の低レベルさを痛感するし、そんな指導者にホイホイと投票する国民の想像力・思考力のなさも嘆かずにいられない。
【2007/04/27 02:24】 URL | 南十字星☆ #-[ 編集]
Completely agree with you.
だね。特に日本のリーダーシップのあり方には。
また豪州は中国製品好きで勇名だよね。
だから余計に実感するんだと推測。
(中国を実質マネジメントしている台湾勢の存在も
ついでに入れといて)

僕のクラスメートたちの名誉のためにつけ加えると、彼らは善良で有能でまじめ。でも留学生(エジプト
人のオマール君や中国系の子が結構いる)以外は
やはり外からの視点で本質から考える、というのは
難しい。中国やアジア系の留学生の子達は
思っていてもいわない傾向もあるけど。

これは日本人でも全く同様。というか
異人種や異文化に対して経験の少ない
日本人の方がやっかい。それは南十字星さんも
自分もお互い外人として異国にいるから余計に
リアルに感じる・実感することなのかも。

自分たちの常識が世界では非常識という
当たり前のことをどれだけ客観視できるか、
が大事だと思う。ネットでなんでも情報が入る
時代だからこそ、余計にそこの基本の姿勢が
すごく重要だよね。

昨日アネンバーグスクールというコミュニケーション
学科のラウンジで、イラク関係の現地レポートを
読みつつ、たまに米国のテレビ放送の内容
(娯楽とかドラマとかCMとか)を見てたんだけど、
(アネンバーグには巨大テレビモニターが複数在る)
そのあまりの別世界というか他人事ぶりに
めまいがした。戦時国なのに戦時国じゃない。
これは米国のすごさでもあり、気味悪さでもある。
バカさ、と表現するにはあまりに根が深く表面を
ハリウッドの電飾と星条旗が覆っている。
【2007/04/27 02:58】 URL | taka #-[ 編集]
前回のコメント、「バカ」という表現はちょっと行き過ぎであったことは謝罪します。管理人様の言うとおり、「バカ」と表現するにはあまりに根が深いことは確かです。

確かにどこの国であろうと、自国を相対化できない輩は、多くの場合異文化との接点がないというのは正しいと思います。けれど、米国人はその割合が極端に高いんじゃないだろうか?
つまり、諸外国から米国に勉強に行く人はたくさんいても、米国を出て他国に勉強しに行く人は、比率から言って他国よりもはるかに低いでしょう。米国を出る人だって、せいぜい商売しに行くか、途上国に「援助」と称して上から見下ろす立場で行くか、ってところなんでしょう。

ここ豪州でも、TV番組や映画など文化的には確実に米国の影が濃くなってきているらしい。少し年配の人々と話すと、「米国の影響で社会のモラルが下がっている、住みにくくなっている」というような意見をよく耳にします。それでも、上記のような文化的側面の主たる受け手である若い世代には、やはり「米国的」文化はスッと入ってくるのでしょう。言い換えれば、「分かりやすい」。

この「分かりやすい」という言葉、どこかで聞きませんでしたか?そう、小泉や石原を支持する日本のおばちゃん層が、その支持理由でよく口にする言葉なんです。

つまり、「分かりやすさ」は相手に訴えかける強力な武器ではあるが、思慮分別を奪ってしまう極めて厄介な道具です。米国の指導者は弁舌さわやかにこの「分かりやすさ」を駆使することで、国民の冷静な思考力・分析力を抑え込んでいるという側面はないだろうか?でも、「分かりやすさ」はヒトラーの最大の武器でもあったことも忘れてはならない。
【2007/04/28 23:13】 URL | 南十字星☆ #-[ 編集]
「バカ」に関しては米国人自身が結構stupidやcrazy
を使って自国民の一部を表現するから別に不適切
ではないとも思うけどね。バカも天才もいっぱい囲い
込んでいるのがこの国の強さでしょう。
「バカ」が褒め言葉になる場合もあるしね。

米国が極端な内向きの国民性を持っているのは
一部で本当だけど、ビジネスの面から見ると
正反対でグローバル・ボーダレス・サイバー
の3キーワードを支配しているのは米国企業
がほとんど(MBAの受け売り)。

そういう多重構造になっているのが米国の本質なのかも。

豪州でもそうだけど、カナダ、イギリス、日本などで
メディアリテラシーなんつー
概念が流行りだすのは正に米国文化の弊害というか
副産物であって、米国内では驚くほど流行って
無いんだよ。面白いね。

「分かりやすさ」は僕も自分の専門で追及している
ことだけど、リテラシーというのはその程度のこと
であって、本来は「サバイバル」に関する過酷な
環境で生き延びる自助努力の延長にこそ
そういう仕組みが生まれるべきなんだろうね。

以下を読むとその辺のことを考えさせられるよ。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50803620.html
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report3_55.html
http://asyura.com/07/bd48/msg/525.html
「内向き」というのは米国の多数派の国民性を
理解するうえで重要なキーワードの一つかもね。

メディアやメディアを形作っている言葉は
諸刃の剣であって、政治や思想や宗教を
内包したものでありえるので、そこから認識を
構築しないといけないんだけど、人は本当に
自分が困っていることや身につまされたこと
以外の面倒なことは、やらないんだよね。

で、自分に出来ることは何か?自分がやりたいことは何か?と
日々考えているわけ。。。

これに懲りずに今後ともよろしくです。
南十字星☆さんのコメントはいつも刺激的で管理人のぼんやり
とした思考をbrush upするのにすごくありがたいです。
【2007/04/28 23:51】 URL | taka #-[ 編集]
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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