ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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33歳で夭折した天才に学ぶ:中島敦「山月記」
ふと思い立って久しぶりに読み返しました。
中島敦は昔からすごく好きな作家です。
中学か高校の国語の教科書で初めて読んでその世界観
や短い文章に凝縮された圧倒的な物語の強度に
しばし呆然としたことを覚えています。

こちらで全文が読めます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html

好きな一節を以下に引用。
しかし、何故こんな事になったのだろう。分らぬ。全く何事も我々には判(わか)らぬ。理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ。

年をとって感じ方が変わった部分があるので備忘録程度に。
とはいえ、中高生で読んだ時は、
傲慢だとトラになるぞという「戒め訓」のようなところ
ばかりが鼻についてその部分に囚われていたのですが、
今日読み返してそこは気にならず、全体のつくりの
精密さ、上手さ、そして主人公李徴(りちょう)の哀しさが
くっきりと山上の月のように際立っていることに感銘を受け
ました。漢文の素養から来る論理の強さを感じます。

自責の念や後悔を人は誰も抱えて生きているものだと
思いますが、それを文学で作品にするとこうなる、という
一つの答えがここにあるように思います。

映画脚本を学んだ自分としては、物語構造の点からも
中島敦という夭折した天才作家の技量がびしびし伝わって
きます。主人公である李徴(りちょう)と中島敦さん
は恐らく重なる部分があるのだと思いますが、ただ重なって
いるだけではない。作家には自身の物語から発想しても、
いつの間にかそこから解放されて全く自分自身とは別の
物語をつむぐ才のある人とそうでない人がいると思って
いるのですが、
彼の仕事はその区切り(自身とフィクションの相克)が
鋭利な刃物のように研ぎ澄まされている印象があります。

トラという「現実を超えたフィクションの要素」がほんの
一さじ加わっただけでこんなにも人の心を捉えて話さない
物語が成立している・・・

彼の年を超え、今だに日々学びの途上にいる身としては
何かを書かずにおれない久しぶりの邂逅でした。
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【2006/12/18 23:56】 | お仕事・研究・学び | トラックバック(0) | コメント(0) |
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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