「ヘルスコミュニケーションは戦略論である」というのは
Healthy Peopleの2010のヘルスコミュニケーションの定義にも 出てくる要素であるが、昨日書かせていただいた原稿の参考に この本を読んだ。 こういった本の内容と米国で学んでいるヘルスコミュニケーション の基礎を照らし合わせてみると、 ヘルスコミュニケーションがいかにビジネス領域のノウハウ から方法論や考え方の枠組みをもらってきているかがわかる。
例えばp.67「経営戦略立案の5つのステップ」は
1.課題を明確にする 2.現状を把握・分析する 3.現状を診断・評価する 4.解決策を検討する 5.実行プログラムを策定する これは、昨日紹介したCDCynergy3.0の6つのステップ と酷似している。 フェーズ1:「問題の記述」(Describe Problem) フェーズ2:「問題の分析」(Analyze Problem) フェーズ3:「介入方法の立案」(Plan Intervention) フェーズ4:「介入内容の構築」(Develop Intervention) フェーズ5:「評価方法の準備」(Plan Evaluation) フェーズ6:「実行」(Implement Plan) 実行プログラムの結果をフィードバックして修正するのは 前者に組み込まれているので、結局同じだということが わかる。 時折言及するGames for Healthの医療健康関連シリアスゲーム の開発手順も全く同じであった。 その他にも非常に示唆に富む。仕事以外でも 日常生活でも使える考え方が多々ある。 p.41 大切なことは、このような現在の結果を生んだ過去から 現在までの「戦略」が何であったかを自覚し、共有化する ことである。それによってはじめて、「戦略を自覚し、 批判し、考え、新たに構築する」というプロセスが生まれる。 組織や団体に限らず、個人がより良く生きるうえでも、 こういった考え方は重要だと感じる。人はそれと知らずに 自身の人生(生活)の戦略を持ち、それを実行し、現在に 至っているのである。うまく行かない時はそこに立ち返って 再構築することも自然にやっている。「戦略」と自覚して いないだけのことだ。 他にも色々示唆に富む内容が豊富で勉強になったのだが、 きりがないのでこれを最後に紹介しておく。 p.83 勘や情緒は、理解のための「ヒント」としてはきわめて 重要である。しかし、それらのヒントは、事実をもって 確かめられてこそ、はじめて具体的な解決行動に結びつく ものであり、戦略家は「事実を確かめ、事実をもって語る」 客観的な態度を身につけなければならない。 今の自分に欠けている素養でもあり、肝に銘じたいが、 同時にヘルスコミュニケーションの肝でもある部分と 裏表を成す部分でもある。 つまり、「事実や論理では人は動かない」場合がある、 ということである。客観的データや論理的な説得だけでは 人はいうことを聞かないことがままある。 むしろ理路整然と自分の主張の正当性を述べることに反発を 抱く感情がなぜか人には生来あるように思う。 その部分をどう組み合わせて扱うか、という点にすごく 興味がある。 戦略家として事実をもって判断し語りつつ、具体や細部 (ヘルスコミュニケーション事業の場合は対象者)に 落とし込む際には、どう相手に受け入れてもらうか、 相手が聞く耳を持つ状況をいかに作るか、が勝負になる。 日常生活でも活用できるノウハウのはずだ。 試してみようっと(自分のこととなると難しいんだけど)。 ![]() |
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