ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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【私見その4】良い医者が探せるようになったら・・・
本日は
【私見その1】
【私見その2】
【私見その3】
を読んでくれた友人の現役小児科医K先生が、以下のような
メールをくれたのでご本人の承諾を得て紹介します。

--
まず、管理人さんも指摘しておられたように
「いい医者」の定義がとても難しいと思います。
例えば、小児科領域では一般的な上気道炎(=いわゆる風邪)
に対して抗生剤は無効であり、その個人にとっても利益が
ないばかりか社会的にみれば耐性菌の増加・医療コストの
増加など不利益があります。
しかし、・・・
「(子供が)熱があるので抗生剤が欲しい」と思ってる親は
多く、少なくとも抗生剤を処方されると喜ぶ親がいます。
(抗生剤を処方された場合、医師が必要だと判断したわけ
ですから心配する方がただしい反応だとも言えます)

そのような場合、不必要な抗生剤を気軽に処方する医師と、
処方しない医師では、どちらが「いい医者」でしょうか?

また、医療が高度化した現在、難病に関しては専門外の
医師は進歩についていけません。
「この病気は自分の専門外だからわかりません。
専門医を紹介します」と
「(よくわかっていないけど)このようにして治
療しましょう」と
どちらが患者のためになるでしょうか?

特殊な病気を診られないことは、医師として足りない
わけでなく、むしろ診られないと判断できることは
すばらしいスキルだと思います。

また、ちまたには「患者がみたいい医者/病院ランキング」
があふれていますが、これもどうかと思います。
統計学的に十分な人数でなく、個人的な評判のみで
書かれている本ばかり。
たまたまその医師と相性がよかった/悪かっただけで、
なんの根拠にもならないと思います。

アイドルや抱かれたい男ランキングも個人差があるように、
好き嫌いにおいて万人に共通のものなんてありません。
あなたにとっては最高の医師だったかもしれないが、
私にとってはいまひとつ、なんてこともあるでしょう。

では、客観的に評価して「いい医者」とはなんでしょうか?
管理人さんが書いておられた
「腕が悪いがイケ面の医者」は論外だと思いますが、
「腕はよいが、無口で素行の悪い医者」もいい医師では
ないと思います。
少なくとも、内科領域ではきちんと患者(と家族)に
上手に説明をできることは非常に重要なスキルだと思います。

相手が人間である以上、ただ結果だけよければいい、
というのは内科領域だけでなく外科領域でも「いい医者」
ではないと思います。

つまり、
「腕もいいけど、コミュニケーションのスキルもある」
というのが
「いい医者」に必須の条件だと思います。

「腕(=医療レベル)」と「コミュニケーション」とは
どちらか二者択一でなく、両立しうるものですから、
どちらかをあきらめるものではないと思います
(少なくとも僕は両立を目指しています)。

また、「いい病院ランキング」も難しいです。
ご存知のとおり(といっても実は一般の方はあまり知らない)、
医者はしょっちゅう異動します。
体制がいい病院は確かにありますが、今のところ医療の
レベルは医者の質に大きく依存します。
2~3年たつと、6人中5人が入れかわる診療科など
ざらにあるので、「いい病院ランキング」は難しいと
思います。

では、おそらく本題である
「自分/知り合いが病院に行こうと思ったときに、
どの病院に行ったらいいのか?」
ですが、医療内部からの評価はある程度信頼できると
思いますが、情報を集めるのが難しいです。

というのも、「医者は自分の勤めている/いた病院」と
「自分の専門領域の病院」意外については一般人と
ほぼ同じ情報しかありません。
なので、自分の病気に近い分野の知り合いがいないと
情報は集まりません。

一番簡単な目安は、「この病気(と似た病気)をどれくらい
診ていますか?」だと思います。その治療成績は関係が
ありません。名医には難病が集まります。
自然と成績は下がります。
どんなに腕が良くても経験数が少ないと、絶対に高い
レベルにはなりません。

もし、重要な健康上の問題に陥り、医師を選ぶのであれば、
ぜひそのように聞いてみてください。

ただ、どんなに腕が良くても、「説明がわかりにくい」
「信頼感がなんとなくもてない」など、
十分に満足する説明を受けられない場合は、
少なくともその人にとって「いい医者」ではないと思います。

自分が重要な健康上の問題にあたっていると思ったら、
ぜひセカンドオピニオンを求めてください。

結論:
「いい医者探し」は「いい恋人探し」と同じなのかもしれません。

--
K先生、オチまでつけてくださってありがとうございます。
医療職でない方には、新鮮な部分もあったかと思います。

最初の抗生剤の話は、「抗生剤神話・注射神話」として
日常見聞きする部分です(漫画「ブラックジャックに
よろしく」小児科編でも「親は子供の病気は我慢できない」と
紹介されてましたね)

医師のコミュニケーションスキルについては
ご指摘のとおりだと思います(前回記事ではわかりやすく
対比するために極端な例を出しました)。
が、K先生のようにコミュニケーション能力の高い、
患者さんと話すのを面白がれる医師ばかりでないのも
確かです。これはひとえに医学部入試の際の適性の
問題と、教育カリキュラムと医師国家試験の仕組みに
改善の余地があると思っています。参考はこちら


また、患者のニーズに合わせて「上手にわかりやすく丁寧に」
説明してくれる医師に対する審査や保険点数上の
インセンティブが無いのも問題だと思います。

勿論きちんと理解しようとしない患者側の態度も問題です。

ランキング本のような媒体が機能する可能性があると
すれば、非常に細かい更新が必要、ということもK先生の
ご指摘でわかりますね(質の評価が本当に可能であれば、
ですが)。

医師に直接治療経験数を聞く、という態度も
これからは大事です。
日本は医師が権威構造(白衣や「先生」という立場)を
利用して説明や情報公開をうまくかわしてきた文化が
ありますが、今後はそれではうまくいかない時代だと
思いますし。わかっている医師は疾患によっては
患者の不安を取り除くために経験症例数を自分から
伝えている人もいますよね。外科医などは特に。

K先生が言うように、
もし本当に医師探しが恋人探しに似ているとすれば、
「まじめな」出会い系サイトのような枠組みが
機能する余地はありそうです。
すでにウェブサイトで医師に相談できる有料サービス
Ask Doctors
のような実例も出てきていますし。

ポイントはやはりよく言われているように
「医療消費者にとって質の良い選択肢を増やす」という
ことかなと思います。この辺の考察はまた後日に続きます。

次回はこのメールに続くK先生の2通目のメールを
ご紹介します。
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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