ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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【書籍紹介】判断力はどうすれば身につくのか(横江公美著)


米国の民主主義教育(有権者教育)の実態をレポートした
新書です。米国に住んでいながらこういう取り組み自体に
あまり敏感ではありませんでしたが、
非常に感銘を受けました。

学校教育において幼少時から意思決定のプロセスを
学ぶ教育が根付いているところにお国柄の違いを感じます。
ヘルスコミュニケーション上も参考になったので一部ご紹介。
--
また、学校の授業では、小学校低学年から内容を知らないで
投票することの怖さを学ばせる。
たとえば、「アイスクリーム」「宿題」などと書かれた紙に
何の情報もないまま、イエス、ノーのどちらかを選ばせる。
普通は「アイスクリーム、イエス」「宿題、ノー」となるが、
その選択の結果、「にんにく味のアイスクリームだけが給食の
おやつに出ます」「週末の宿題はなくなります」ということを
知らせると、生徒達からいっせいに驚きと失望のブーイング
が起こる。アイスクリームとあればイエスだが、にんにく味
となればノー。宿題はノーだが、週末の宿題が廃止であれば
イエスだ。生徒達はこうした授業を通じて、投票のための
意思決定をおこなうには、詳しい情報を集める必要性がある
ことを実感し、実際の政治の投票では候補者と政策の両方を
徹底的なリサーチに基づいて判断すること、比較すること、
議論することが必要だと知り、そのコツを体得する。
そして長じるにつれ、子供が興味を持つテーマで模擬選挙や
模擬議会、模擬裁判を実践させるのだ。
(p.6より)

通常の教科の学習以外にこういうカリキュラムが組まれ、
義務や熱意の程度は州によってまちまちのようですが、
NPOなどによって支援されて発達してきたらしいです。

読んでいて米国人のリーダーシップの取り方のうまさとも
関係しているように感じました。
リーダーは何事においても情報を集め、考え、決定をくだす
必要があります。そこでは情報を検討できる人、勉強を
続けられる人、視野の広い人が望ましいわけです。
必要なコミュニケーションスキルも磨かれます。
そういった本質をついた教育内容だと思いました。
意思決定能力が全ての基本にあることに気付かされます。

また、以下のような例で、
ヘルスコミュニケーションや科学コミュニケーションの
社会的なインフラとしても機能していることがわかります。

セサミ・ストリートはHIV(ヒト免疫不全ウィルス)保持者の
キャラクターを登場させた。この子供番組で、エイズ(後天性
免疫不全症候群)を取り上げることに対して反感を抱く人も
多かったが、セサミ・ストリートの制作陣は、子供達に
エイズ問題を積極的に考えることを決めたのである。
エイズをめぐる偏見と無知をなくすには、物心がつく時期から
正確にエイズというものの実態を教えなければならないと判断
したわけだ。
 エイズは、同性愛の問題とならび活発に議論される有権者
教育の重要な争点である。個人の自由、機会均等、差別禁止、
社会的弱者への関心、といった有権者教育の重要な要素は、
エイズ問題を通してその全体を見渡せるからだ。
 セサミ・ストリートに登場するHIV保持者のキャラクターは
カミ。アフリカ出身の5歳の女の子、という想定である。
(中略)
2002年10月には、カミはアフリカ出身のアナン国連事務総長
をセサミ・ストリートに招待し、HIVとエイズについて
語り合った。また、カミはNBCニュースに話題の人物として
出演し、インタビューを受けた。カミは有権者教育の絶好の
教材として社会的に認知された。
(中略)
宗教・文化・価値観・食べ物の嗜好などが異なる人々が集まり、
1つの共同体を構成するときに必要な基本ルールを通常の
生活のなかで気づかないように学ばせる。これが、セサミ・
ストリートが志向する有権者教育である。



上記最後の1文は、ヘルスコミュニケーションが志向する
EEとも相通じる概念です。非常に参考になりました。

「社会教育インフラとしてのセサミ・ストリート」に
ついては東北学院大学の稲垣先生のページに参考になる
勉強会資料が公開されています。ご参考まで。
http://www.ina-lab.net/special/sesame/

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【2006/07/07 23:45】 | お仕事・研究・学び | トラックバック(0) | コメント(0) |
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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