ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の36歳新人会社員が、ヘルスケア領域のビジネスやコミュニケーション、子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
「蕨野行(わらびのこう)」を読む
風邪がどうにも回復せず
ヤツの守をしたりしながら岳父に
薦められたこの本を読んだ。


ヘルスコミュニケーション的にも参考になる部分があるように
思った。
よく言われる紹介は「楢山節考」その後、というもの。


重いテーマなのだが、読後感は不思議と明るい。
解説の辺見さんも書いているが、「楢山節考」とは全く
別の地平を目指した作品だし、作者の男性と女性という
性差も大きく影響しているように感じる世界観だった。

簡単に物語を説明する。
「姥捨て」「棄老譚」と呼ばれるジャンルの話である。

舞台となる村では、
60歳で還暦を迎えた男女は村の決まりで蕨野(わらびの)
という土地に行き、そこで息絶えるまで日雇いの仕事で
食いつなぐ「わらび衆」としてすごす。
その「わらび衆」となった老男老女(といっても60歳だが)
9人の集団生活をほぼ終焉まで見届ける物語。
物語はわらび衆のリーダーとなった、もと庄屋の婆のレンと
その嫁ヌイのテレパシー交換(往復書簡)的な「対話」で
進む。

独白のような独特の対話のテンポと、江戸時代のいつごろ
だろうか、当時の世俗や困窮ぶりを反映させた物語展開。

切れ味の鋭さや背筋に刃物を突きつけられたような
緊張感は「楢山節考」に劣るように感じるが、
その分リアルで日常生活レベルの「死」「生」「性」「老い」
「世代交代」について自然と考えさせる物語である。

自然発生的に介護や相互扶助の仕組みが成立し、
生きるために「わらび衆」の決まりを破り、たくましく
生きのびる老人達。

人は生き、死に、そして生まれ変わる。
当たり前かもしれないが日ごろ感じることの少ない仕組みに
ついて、違和感なく感じさせてくれる物語でした。
【2006/06/13 23:29】 | 参考書籍 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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帰国後は、神田川と公園に囲まれた土地に住んでいます。緑が多く大変気に入っています。神田川遊歩道を息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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