ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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裁判員制度の漫画広告「常務島耕作」について・その2
前回ご紹介標記についてその続報を。

20060315014641.jpg


読者からも反応があったのか、それとも制作者側が
気付いたのか、連載3話目にしてようやく吹き出しの中の
セリフ文字が少しだけ大きくなった(それでも通常の
文字よりも小さいが、変化を評価しよう)。
(週刊モーニング14号41,42ページ 講談社2006)

これはその都度フィードバックを得て修正して行く
というヘルスコミュニケーションで言われている基本にも
合致している(まあ当たり前のことなんだけども)。

今回は中身についても共感するところがあったので
簡単にご紹介。
気になったのは2ページ目(部分的に抜粋)

島「なるほど裁判員の意義か。少なくとも、世の中の
事件には、今までよりも関心を持つってことかな。」

国分「実際の裁判を知る人たちが、増えるわけですからね。
その家族や友達などを入れればかなりの人数ですよ」

島「そうなると、今まで以上に法令を遵守していく意識
が向上したり、公平な立場で、冷静に物事を判断する
訓練ができたりといろいろメリットはありそうだな。」

国分「安易に犯罪に走らなくなったり、街中が
社会の安全を意識したり・・・。」



その実現可能性や効果はさておき、裁判所側が
この制度でやりたいこと・どういう意義があると思って
いるかはよくわかる。理念・理想がよくわかるのだ。

話は変わるが、
ヘルスコミュニケーションを学んでいてよく思い出すのは、
自分がこういう領域に興味を持ったきっかけが、
臨床現場で看護師としての体験だったことだ。

つまり、「病気になった状態」を健康な人は中々実感できない
し、だからこそ予防や検査に真剣になれない、という部分が
あるように当時は素朴に思ったのだ。「病気でない」
という状態のありがたさ、当たり前の日常生活や
自律的に生活できることのありがたさは、病と闘っている
当事者や周囲の人、病と付き合って生きて行く人が最も
実感するところだ。

といっても病を都合よく体験することはできないので、
中学生や高校生くらいの時にボランティアや見学として
一定期間病院の現実を見聞きするのは重要な体験なんじゃ
ないかと今でも思っている(現に米国ではそういう仕組みが
あるらしい)。自身がまたは身近に体験しないと
病(そしてそれによって相対化される健康)とは
「他人事」のままなのである。

(養老孟司先生の弁を借りるまでも無く、日本では
病やその前提となる身体は「忌み嫌われ」「隠され」
「(自分達とは別の)特別な存在」として扱われてきたし
今も同様の部分が残っている。しかし病や怪我から
逃れられる人はいないし、身体あっての健康・人生・哲学
なのだと思う。本来、病とはある種「当たり前」のことなの
かもしれないのだが)。

この感覚をもって読むと、
裁判員制度とは、法曹界におけるコミュニケーションや
(イノベーション)普及効果を意図したものでもある
ことがわかる。なんだ、非常に近い問題意識を
もった取り組みなのではないか、と感じた(素朴に)。

法曹界・医療界に限らず、現行の専門家-非専門家コミュニケーションは、
この段階(情報の送り手のやりたいこと・どういう意義が
あると思っているのか、という部分への理解)にすら
至らずになされることが多いのかもしれない。

研究者の視点で言うと、マンガの効果については、
文章やその他のメディアと比較して評価調査をしないと
何も言えないわけだが、自分個人のこの制度への理解に
とっては意味があった。
(島より年上で剣道の有段者で落ち着いている国分が
リードする、という構図もうまい)

というわけで、個人的には連載3回目にして非常に評価が
挙がっている。4回目、5回目にも期待しよう。

-------------------------------------
⇒4月追記:3回で終了だったことがわかりました。
なんとも中途半端。残念です。
やっと注目が集まってきて「さあこれから」、という段階です。

プロデュースした人たちは、普及理論のカーブのあり方
についても知らないんでしょうね。

広告の内容・ストーリーから行っても、裁判所の主張が
読者にはまだ十分に届いていないと思います。
これでは企画や作り手の尽力はかなりもったいなく無駄に
終わる可能性が高く、普及啓発効果は期待薄です。

ドラマの「うねり」を活用していないストーリー仕立ての
広告やEEは、あまりストーリーを使う意味がありません。

科学的に批判するためにはきちんとした評価調査が
必要ですが、
「予算消化のためのその場しのぎのお金の無駄遣い」と
(無責任と管理人自身が批判されるのを覚悟で)
敢えて批判しておきます。

(勝手に)期待した分、裏切られ感は強いものです。
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【2006/03/15 02:02】 | お仕事・研究・学び | トラックバック(0) | コメント(0) |
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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