ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
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Who shall live, who shall die - and why?
時間に追われた論文の手直し作業の合間に、
HH&S所長のVickiに声をかけてもらって
米国脚本家協会(WGA)Hollywood, Health & Society共催の
パネルディスカッションの見学にビバリーヒルズにほど
近いWGAまで行ってきた。

WGAの廊下には著名な脚本家(らしい)人たちの
写真がたくさんある。
20060218084645.jpg

------------------------

パネルディスカッションのタイトルは
WHO SHALL LIVE, WHO SHALL DIE-AND WHY: STORIES BEHIND UNNECESSARY DEATHS FROM VIOLENCE AND DISEASE IN THE U.S
「誰が生き、誰が死に、そしてそれはなぜなのか」
~米国における暴力と疾病による不必要な死の真実~
(末尾にWGAウェブのニュース本文を引用)

後日機会を作って別の形できちんと報告したいと思うが、
(主に)現役のドラマ脚本家たちを対象とした勉強会、という
ノリで、マイノリティー(アフリカンアメリカン・
ヒスパニック系・アジア系・太平洋地域系など)が、
いかに疾病・健康に関して不平等な立場に置かれているか、
ということをそれぞれの現状に詳しい当事者を招いて
学ぶ、というもの。今回はHH&S企画だそうで、同様の催しが
様々なテーマで毎年数回行われている。

今回の主なテーマはマイノリティの第一世代が被る
「英語が話せないことによる医療コミュニケーションの齟齬」
(ベトナム系の老人が自分が知らないうちに肝臓切除をされたいた例)や、
エイズの現状(米国のアフリカンアメリカンは白人の12倍エイズで死んでいる、など)、
銃による殺人や事故(ロス市だけで2006年に入ってすでに48人が銃で殺され、
その10倍の人が被害にあっている)などであった。

今日は時間も無いので(って、結局長いけど)、
詳細は後の機会に譲るとして概要と感動した点を1点だけ
メモしよう。
司会はUSCのもと教授・現在UCLAの教授であり、
かつ現役のテレビプロデューサー・脚本家・作家という人。
(当初は医師免許を持っていてかつ売れっ子
プロデューサーNear Baer氏:現在Law & Order, SVU:
の予定だったが、急な仕事で予定変更とのこと)

パネリストは
アジアパシフィックアイランダーの団体の中国系の女性、
UCLAのエイズ研究者のアフリカンアメリカン女性、
ハーバード大学の公衆衛生・医療政策の男性教授、
銃による殺人被害者救済団体のアフリカンアメリカン女性
(自身の弟さんがスーパーで強盗によって射殺)、
自身がギャング出身で親友の銃が暴発して下半身不随になり、
その後銃被害者や貧困層の住宅問題を支援する団体を
立ち上げ運営しているヒスパニック系男性(車椅子)、

という陣容。彼らのナマの声を聞き、脚本家たちはそれぞれの
仕事に今回見聞きしたことを活かす、その結果先日紹介した
EE効果
によって、ドラマを見た一般市民にこういった問題
の事実と認識(疾病や死亡の民族差・銃による被害)が、
多様な視聴者層に効果的に普及する、という構図だ。

(勿論ドラマで全てが解決できるわけではないが、
家庭や学校で話題に乗せたり、オピニオンリーダーに
届く可能性がある。また、パネリストが言っていたように
「ストーリーテリングは、見る者の人生をかえることが
出来る貴重な仕事」という側面がある。脚本家もencourage
されていた。)

現にドラマERでは、作品中で6歳の少女を撃った犯人の
中学生くらいの少年達が、ERで死に瀕している少女の
治療風景(すい臓がダメージを受けて開腹処置をされていた
ので、内臓が露出し血まみれであった)を刑事同伴で
無理やり見せられる、という
「少年犯罪者に被害者の実態を見せる」教育的(?)活動
が描かれていたが(クリップを上映してくれた)、これは
ロスでもシカゴでも実際に行われ始めた試みだという。
(米国では飲酒運転した人がモルグ(死体安置所)で
交通事故で死亡した被害者の遺体の司法解剖を
無理やり見学させられる、というペナルティーが
あるらしいが、それと同じ系譜だろうか)

上記のような事例の深刻さや現状に強い印象を持ったのは
勿論だが、感動したのは何よりこういう「場」が
米国のドラマ制作の背景に実現している
、ということだ。

健康や疾病に関して被害者やマイノリティである当事者から
作家が生の声を聞き、それが人気ドラマ作品に反映される
機会を、HH&Sという団体(米国の厚生労働省のような
機関が出資し、大学の研究所によって運営されている団体)
戦略的にデザインして提供していることが重要だ。

モラルが高くやる気(野心)のある作家たちが自主的に
勉強会をやっているのではない。
公衆衛生とコミュニケーション学の専門家が国の機関を
動かし、お金を出させて、人とお金を動かして
こういった活動実績を積み上げていっている、ということ
が注目すべき点だと思っている。

そして米国には、こういう機会に適した人材や社会的活動を
している団体が豊富に存在し、HH&Sにはそれらの人たちを
見つけて作家のもとに連れて来てWin-Winな関係を構築する
センスと手腕がある、ということだ。

銃の問題は、日本では当てはまらないレベルに米国はあるが、
その他の問題(医療や死亡率の地域格差など)では、
こういった発想や取り組みがどれくらいあるのだろうか。
何より気になるのは、果たして日本の専門家はどれくらいの
働きかけやお膳立てが出来ているのか、ということだ。

Media Advocacyの最先端を体験したことを
実感しつつフリーウェイを運転して、そんなことを
ぼんやり考えながら家路についた。

---------------リンクが切れる可能性があるので引用。
WHO SHALL LIVE, WHO SHALL DIE-AND WHY: STORIES BEHIND UNNECESSARY DEATHS FROM VIOLENCE AND DISEASE IN THE U.S.
Thursday, 2/16, 6:30 p.m. (dinner), 7 p.m. panel - WGAw Multipurpose Room. RSVP: Jennifer Burt. Does your zip code or skin color make a difference in the cause of death on your death certificate? Learn why certain groups in the United States are at much higher risk of death from suicide, homicide, cancer and AIDS. Speakers include: David Hemenway, professor of health policy at Harvard School of Public Health; Mary Anne Foo executive director, Orange County Asian and Pacific Island Community Alliance; Reverend Ferroll Robins, executive director, Loved Ones. Moderator: Neal Baer, MD, Executive Producer, Law & Order: SVU. Cosponsored by the WGAw and Hollywood, Health & Society, a USC Annenberg Norman Lear Center project that is funded by the Centers for Disease Control and Prevention and the National Cancer Institute. Limited space.
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【2006/02/18 09:31】 | お仕事・研究・学び | トラックバック(0) | コメント(0) |
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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