Entertainment Education(エンターテイメント・エデュケーション:以下EE)
について書かなければと以前から 思っていたのだが、大変よい実例のニュースを お友達のyukikoさんのブログで教えてもらったのでご紹介。 「遠い国で、感動したニュース」 です。マラウイの青年協力隊員山田さんという方たちが 作った歌が当地で流行っているようです。 エイズ予防メッセージを込めた歌、ということで、 これこそEEの実践例です。 山田さんたちの取り組みに心からのエールを送りたいと 思います。 JICAのウェブにもニュース掲載されています。 ![]()
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過日も少し紹介したが、 EEとは、エデュテイメントとも言われる方法論で、 発展途上国での感染症予防(エイズその他)・家族計画普及・ ドメスティックバイオレンス(DV)に関する普及啓発・などなど で開発・発展・活用されてきた経緯を持つ。 管理人がインターンをしているHollywood, Health & Society は、米国内でこのEEをやっている機関、と理解する ことも可能である(米国は発展途上国で発達させた ノウハウを自国内で活用している、というわけ)。 大学としてEEに貢献してきたので有名なのは、 やはりJohns Hopkinsでしょう。 このサイトもEE関連のリソースとして非常に使えます。 EEの教科書からSinghal&Rogersの定義を紹介しよう。 EEとは、 「聴衆や読者に教育上重要な問題に関する知識を より良く提供し、望ましい態度を形成し、(望ましい方向へ) 行動変容を促すために、娯楽・教育双方の目的で、 マスメディアのメッセージを目標的に(意図的に) デザインし情報を組み込むプロセスのことを意味する。」 Entertainment-Education is the process of purposely designing and implementing a media message to both entertain and educate, in order to increase audience knowledge about an educational issue, create favorable attitudes, and change overt behavior. ここでいうマスメディアには、テレビ・ラジオだけでなく ウェブも前述した山田さんの例のような歌も入るし、 お芝居や漫画、紙芝居など、ありとあらゆる「メディア」 が入る。日本でも流行っていると言うカラーリング (メッセージつきの有料ブレスレット?)なども含む。 また、彼らはこうも述べている。 「一般的なEEプログラムの目的は、社会変革(Social Change) に貢献することである。ここでいう社会変革とは、 社会制度やシステムの構造や機能において変化が生じる プロセスであると定義できる。」 The general purpose of entertainment-education program is to contribute to social change, defined as the process in which an alteration occurs in the structure and function of a social system. 広義には、娯楽と教育の両方を満たす方法論にすぎないが、 狭義には社会変革、という要素が入ってくる。 社会変革とまではいかないが、広義のEEとして 日本でも馴染み深い例としては セサミストリートが挙げられるだろう。 楽しみながら学ぶ、または楽しんでいるだけなのだが、 いつの間にか学んでいる、という状態を目指すものだ。 (セサミストリートが番組としていかにEE的に戦略的に 構築されてきたか、ということを紹介した書籍に ついて紹介しているサイトはこちら) 復興期のアフガンや経済発展を遂げつつある アジア諸国で日本の「おしん」が非常にウケたのも、 ある意味ではEE的なテレビ屋さんや政府の配慮の 賜物、という見方もできる。 (「耐える女性」という、そのロールモデルの是非は ともかくとして) 日本の娯楽情報番組は質の多様さはあるが、全体的に広義の EEに当たると言えるし、去年までNHK総合でやっていた 「ものしり一夜漬け」なんかも非常に良いEE番組だったと 思う(ちょっと調べたらNHKのウェブに載っていなかった。 どうやらもうやってないのかな?)。 「なんだ、単にわかりやすくて面白い教育番組を作ろう、 ということか」と思いがちだが、ちょっと違う。 ここで注意が必要なのは、 「誰が・どういう意図で・何を目的として」制作・放送し、 「どういった評価・フィードバックを実践しているか」、 「それらが公開されているか」 ということが大変重要なのである。 そして何より、それが社会にとって望ましい変革を 促すものである、という「根拠」が重要だ。 ヘルスコミュニケーションにおいては、エビデンスレベルの 高い学術論文や調査結果がまずは根拠になる。 (そういったものが無い場合は、独自に根拠を作る必要が あるわけだが) ヘルスコミュニケーション全般やメディア・アドボカシーにも いえることだが、悪質なプロパガンダにならないための 倫理規定や姿勢(根拠の吟味・妥当性・厳密さ)が重要である。 単なるテレビ局の企画で成立したテレビ番組では、 上記が明確には示されないことが多い。 スポンサーの意図がどのように作用するのかも 公益に浴するか否か、という視点で見ると難しい 部分も出てくるだろう。 (NHKだから大丈夫、というのも危険な思い込みだし) 詳細なモニター調査も一般には公開されない。 横断的な取り組みも難しい。 翻って、国家規模のエイズ予防プロジェクトや キャンペーンなどの一環として実施されるEEには、 サーベイに伴う評価調査が必ずある(というかやらないと いけない)、その結果が報告書になり、学術論文になり、 一般に公開され、次の番組制作にフィードバックされる。 EEのプロジェクトを実践する際には、テレビ屋さんや ラジオ屋さんとのコラボレーションが不可欠だが、 自分のような立場の研究職がそこに参加するのが 米国におけるEEのミソであろう。さらに言うと他に 政府関係者や各種公益団体(財団など)の関係者も 関与してくる。 研究者側の視点としては行動科学や心理学の諸理論に 基づいたメッセージ設計や、マスメディアを活用した 取り組みの影響や評価をどのように行うか、という 評価調査の妥当性を高めるノウハウが問われるところだ。 (冒頭で紹介したマラウイの例も、研究者の視点では 歌が流行る前のデータと照らし合わせて効果の調査を したいところだ:歌のパワーに期待!) さらに、以前紹介したソーシャル・マーケティングの手法を 活用し、より効果的に・より実践的に娯楽メディアを 活用するのがEEであるとも言えるだろう。 ---------------------------------------------- 長くなりそうなので、今日のところはこの辺で。 と言うわけで、マラウイの山田さんの歌が、 EEであると管理人が言いたくなるのもご理解いただけたの ではないでしょうか。アフリカ諸国におけるエイズ問題は 日本の想像を絶するほど深刻ですが、世界的には、 日本も将来的な感染爆発が懸念されている国の一つである ことを付記しておきます。 (日本は先進国では唯一、新規HIV感染者・AIDS患者が増え 続けている悪名高い国なので) 具体的な実践例やUSCの教授陣がやってきた事例など、 すでに紹介したものも(これも)(これもかな) ありますが、今後も機会を見つけて紹介していきたいと思います。 ![]() |
takaさん、ありがとうございます。
今、まだ上手く言葉になっていないのですが、この山田さんのお話は、takaさんが将来なさりたいことのひとつに近いような印象を持っています。takaさんと一番初めにお話しした時に仰っていた、ドラマを通じた市民教育(アメリカでの話で、医療のドラマ)のことを思い出しています。(違ったらごめんなさい)出来ることでやっていないことって意外と多いものですね。takaさんに会って、またお話しがしたいです。赤ちゃんと奥様と素敵なバレンタインを!
【2006/02/15 01:00】
URL | yukiko #-[ 編集]
yukikoさんコメントありがとうございます。
ご指摘いただいた点は違っていませんよ。 勿論EEが全てを解決できるわけでは ありませんし、扱うトピックにも得手不得手は ありますが、日本では体系的な方法論と 蓄積が希薄な概念なので興味を持っています。 教育にも作品の作り手にも双方に付加価値を 与える方法論だと感じています。 何より閉塞しがちな医療健康領域の コミュニケーションに新鮮な風を送り込んで くれる可能性を重視したいところです。 こちらこそまたお会いしてお話できる日を 楽しみにしております。 はじめまして!
山田耕平の続報です。 マラウイのスーパースター山田耕平がHIV/エイズの予防啓発のためにつくったキャンペーンソングを引っさげて帰国します。 先月、TBSでの放送の件&JICAのHPでの曲のダウンロードの件で話題になりましたが、NHKでも取材され放送の内容をNHKのHPから見ることができます。 NHKの英語のサイト http://www.nhk.or.jp/english/ で右上にあるFeatureのタブをクリックすると同じものをご覧いただけます。 なお、マラウイの地元新聞では帰国する山田耕平を大きく取り上げています。 3月3日付 Nation Publications Limited http://www.nationmalawi.com/articles.asp?articleID=15477
【2006/03/05 00:17】
URL | 辻 #-[ 編集]
辻さま
情報ありがとうございます。 というわけですのでご興味ある方は是非どうぞ。 少しでも日本のメディアから軽視されている アフリカの諸問題に目が行くと良いですね。 ダルフール問題についてもERのあらすじ紹介を ご覧ください。 http://healthcomm.blog32.fc2.com/blog-entry-151.html#more 「青年海外協力隊18年度春の体験談&説明会」に山田耕平さん!!
皆さんこんにちは。 新年度も始まり青年海外協力隊の募集が始まりました。 http://www.jica.go.jp/activities/jocv/index.html 今月4月14日(金)、「青年海外協力隊平成18年度春の体験談&説明会」のゲストとして山田耕平さんが私の地元に来ていただけるようになりました。 限られた時間ではありますが多くの方にお越しになっていただきたいと思います。 http://www.jica.go.jp/branch/shikoku/volunteer/PDF/tokushima.pdf
【2006/04/01 03:03】
URL | 辻 #-[ 編集]
辻さま
度々情報提供ありがとうございます。 新聞報道でさらに注目が集まったようですね。 ご興味ある方は是非上記情報参照ください。 管理人taka 山田耕平の新着情報入手しました
4月28日(金) PM11:15〜11:45(30分間) NHK BS1「BS今日の世界」 特集「マラウイで大ヒット・日本人が歌う“エイズの唄”」 http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/ NHKってCM無いですよね? 前回のワイドショーより長いのかな〜? 辻様
いつも情報ありがとうございます。 CM、無いですね。いい番組を期待します。 残念ながらLAでは見れませんが、これを 読まれた日本の方でご興味ある方、是非ご覧ください。 (フジの佐々木恭子アナがマラウイに行っていた のは何か山田さんと関係あるんでしょうか?) 山田耕平 ブログ再開
ディマクコンダの山田耕平がいよいよ本格始動! ブログで今後やっていく活動の情報発信をしていくそうです。 講演、各種イベント等の依頼、問い合わせ窓口も開設! http://blogs.yahoo.co.jp/kohei_ndimakukonda フジTVについてはチャリティですね! http://www.fujitv.co.jp/charity/top.html 外国だけでなく日本のHIVの現状も再認識していただきたいものです 辻様いつも情報ありがとうございます。
今年は管理人もヘルスコミュニケーションの 立場から日本のエイズ予防研究にも 参加します(厚生科学研究の共同研究者)。 予算が多くはないのでできることに限りは ありますが、学んでいることを役にたてたいと 思っています。 永らくあいだが開いてしまいましたが山田耕平の新情報!!
そうです!「ディマクコンダ」の発売決定です! http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20060701-OHT1T00081.htm ヤフーもリンクしてるみたいです。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060701-00000081-sph-ent ブログも更新したようです。 http://blogs.yahoo.co.jp/kohei_ndimakukonda/MYBLOG/yblog.html
【2006/07/02 10:14】
URL | 辻 #SFo5/nok[ 編集]
辻様いつもありがとうございまうす。
2曲目、3曲目(エイズに限らずアフリカの問題に 目を向けさせるような)も期待したいですね!! 国は違いますが、ダルフール問題も是非! ![]() |
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