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ヘルス・コミュニケーション日記
もとヒヨっ子研究者の会社員2年生が、ヘルスケア領域の話題や子育て日記、趣味等思いつきで綴ります。
ヘルスコミュニケーションとは?(定義)
やっとカテゴリを一巡したところで本業について少しずつ整理を
して行こう。
このブログのタイトルにもなっている「ヘルスコミュニケーション」
とはそもそも何を意味するのか?ということから。
T.Valenteをはじめ、日ごろお世話になっているUSCの先生達の
定義を借りつつ考えてみる。

Valenteによると

「ヘルスコミュニケーションとは、個人や一般大衆の
健康に関する意思決定に情報や影響を与える意図された
(purposive)または意図されない(unintended)、両方の
広範囲な活動からなる」

とのこと。?これだけだとよくわからん。さらに続く。

「ヘルスコミュニケーションは様々な形態をとり、健康教育
や健康増進(Health Promotion)と非常に似ているかまたは
重複している」

少しイメージがつかめてきた。さらに続く。

「ヘルスコミュニケーションとその他類似の領域は
区分けが難しく、ヘルスコミュニケーション自体が
hybridなものである。マーケティング・広報広告・
ジャーナリズム・コミュニケーション学・臨床医学・
公衆衛生などによって培われた理論・研究手法・定義
の雑種というわけである」

なるほど。以上Encyclopedia of Science and Technology
(Oxford University Press)より引用(独自に翻訳)。

日本語で「ヘルスコミュニケーション」とググると、
かなりの割合で「医療臨床における」コミュニケーション
に関するページがヒットする。九州大学出版会から
出版されている下記の翻訳本も同様である。


勿論、そういう臨床におけるコミュニケーションも
ヘルスコミュニケーションの一部である。茫漠とした言葉
なので何でも入ってしまう(そもそもコミュニケーション
という日本語の言葉が怪しい)。

で、自分が興味を持っているのはValenteの定義するところの
米国その他英語圏で公衆衛生やコミュニケーション学の
延長上に発展してきた「ヘルスコミュニケーション」である。
特にUSCではマスメディアを介したヘルスコミュニケーション
研究に明るい教授が豊富である。
医療・健康に関するメディアキャンペーン
やラジオドラマ・テレビドラマ・ゲームの設計と評価など
である。

日本のメディアキャンペーンを厚生労働省が行う場合、
評価はどうなっているのだろうか?
たまに厚生(労働)科学研究費の報告書で
調査研究になっているものもあるが(新生児突然死などは
その稀な例であろう)、ほとんどはきちんとした社会調査
に基づいた効果の測定をしていないように思う。
誰か知っていたら教えてください。

日本の社会科学者にそのノウハウがないはずがないので
当局側の問題なのか、キャンペーンは「お祭り」のような
ものなので評価や査定の対象外、という暗黙ルールでも
あったりして。勝手な想像では広告代理店さんに丸投げして
予算だけ消化される、なんてことが起こってないでしょうか
(すいません。根拠の無い想像に基づく無責任な記述ですが)

昨年の江角マキ子さんを使った年金のキャンペーン。
江角さんの不払い問題から、政界を巻き込む
大スキャンダルに発展しました。
(USCでプレゼンしたところテレビCM自体の設計も含めて
非常に良いbad exampleとして注目されました。キャンペーン
設計の理論や定石から言って「やってはいけないこと」を
丁寧になぞった感があり、教材としても秀逸です。
(i.e.高飛車な態度+一方的な情報提供+根拠のない押し付け等)
どこかの誰かが内部告発も含めて「年金の信頼性を失墜させる」
という意図で水面下で操作したなら、
その人はすごいキャンペーン・デザイナーということに
なるんですが・・・)

あれの事業報告(いくらの予算をどこから使って、
その効果がどれくらいで、今後の課題はどういったことか、
というようなもの)を社会保険庁や厚生労働省のウェブに
見つけることができないんですが、どなたが詳細ご存知の
方いますか?予算は6億円というのはニュースになりましたが
公的な発表というか報告書が見つけられないのです(探し
方が悪いだけかもしれないので引き続き探しているのですが)。

疑問はつきません。

おっと、ヘルスコミュニケーションの定義のはずだった
のに。脱線しまくりでした(いつも)。こちらでは医療・健康に
関連するメディアキャンペーンは大学の講義・演習で
学べます。1つではなく複数(予防医学側から、コミュニケーション
学側からなど)のコースがあるので、学生は自分の専攻や
興味に合わせて選択しています。講義・演習は非常に
実践的で、実際にエビデンスを整理してプレテストを行い、
財団などのdonorにキャンペーン予算獲得のプレゼンを
するところまでやります。講義期間を通じて実際の
キャンペーン設計+資金確保+論文作成の準備まで
やってしまう大学院のカリキュラムは日本ではなかなか
お目にかかれず、非常に勉強になっています。無駄が
ありません。
キャンペーンも大きくはヘルスコミュニケーションの一部なの
だということをこちらに来て実感しました。

散漫なエントリになってしまいました。
もう少し深く後日整理したいと思います。
この領域の教科書も豊富に出ているので。

今日は赤ん坊が泣き始めたのでこれまで。


2006年3月追記:定義その2を掲載しました。
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【2005/10/26 13:48】 | ヘルスコミュニケーションとは(定義) | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
お誕生おめでとうございます!
子育てたいへんだと思いますが,
ブログの手抜きはいかんのぅ。
コメント第一号をいただきだ~。
【2005/10/26 22:04】 URL | J-CRSU H田とYがた #-[ 編集]
H田さま・Yがたさま

コメントありがとうございます。
気の向くままに書き出して困ったら赤ん坊のせい
にして逃げる、というのを常套手段にしようかなと
思っている今日この頃です。
こちらに来て日本では得られなかった情報と環境
に興奮して酔っていましたが、そろそろしらふに
戻って整理・咀嚼していきたいと思っています。
input⇔outputの良い循環を作れればいいん
ですが・・・
【2005/10/26 22:40】 URL | taka #-[ 編集]
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東京都世田谷区在住のじょに~です。長年慣れ親しんだ杉並区を離れ、先月隣の区に引っ越しました(ついでにハンドルネームも会社で頂いたコードネーム?に改名^^;)。興味があるのはヘルスケア領域のビジネス、ヘルスコミュニケーション(特にメディア経由)、シリアスゲームの医療健康分野における活用、医療ドラマ、医療者患者関係、医師支援、ワークライフバランス、翻訳、子育て、映画など。数年前南カリフォルニア大学(USC)でヘルスコミュニケーションについて学びました。帰国後は企業で医療分野のビジネスに取り組んでいます。通信制MBAでMBA取得。もともと看護師ですが博士号(医学)は社会医学領域で取得。シリアスゲームによるヘルスコミュニケーションにも興味を持っています。
引越し先にも慣れ、世田谷の畑の多さに驚きつつ、近所や公園を二人の息子達と散歩しつつ考えたことや日々学んだことなど書き続けていきたいと思います。

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